比較的業歴の浅い介護サービス会社や医療法人では、まず経験者採用で人を集めます。しかしここが落とし穴で、業界経験者は案外「くせのある」人が多く、自分流が既に出来上がっており、経営トップの方針に従わないことがあります。管理者同士でもサービスに対する考え方が違うので、現場が混乱して品質が低下してしまうことも少なくありません。各人の考え方の違いがサービスのバラつきにつながらないよう、経営トップが経営理念に沿って「求める人材像」「行動指針」を策定し、浸透させていくことが重要です。まずは管理職クラスに十分説明を行うところからスタートし、現場スタッフには朝礼や日々の指導、評価制度などを通じて徐々に浸透を図っていきます。
人事理念、人事方針、行動指針のイメージ
人事理念 | 「利用者・入居者・ご家族様」から、本当の家族のように慕ってもらえる人財を輩出する |
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人事方針 | ・1人1人の個性を尊重する ・教育を通じて「ホスピタリティ・マインド」を養う ・公平な評価・処遇を行う |
行動指針 | ◆役割を限定しない 「自分の仕事はこれだけ」と決めつけると、真の顧客満足に繋がらない |
◆自分ならどうしてほしいか 「何ができるか」から一歩進んで、自分が入居者・利用者・家族ならどうしてほしいか、を考えて日々のケアを行う |
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◆おもてなしの心 サービス業であることを忘れず、おもてなしの心で顧客満足を追求する |
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◆報連相の徹底 些細なことでも、自分で勝手に些細なことと決めつけず、必ず報告・連絡・相談を行うことを徹底する |
こうした資料を作っておけば、採用面接時や入社後の初期教育にも使えます。「ヒト」に関してしっかりした考え方をもっているということが相手に伝わりますし、ミスマッチの防止にも繋がります。